G-Plan ― 英国モダン家具の原点

G-Plan ― 英国モダン家具の原点

G-Plan(ジープラン)― 英国モダン家具の原点

ヴィンテージ家具を探していると、必ず目にする「G-Plan(ジープラン)」。

1953年にイギリスで誕生したこのブランドは、70年以上経った今も世界中で探し求められています。流行り廃りの激しい家具の世界で、なぜこれほど長く愛されるのか。

その理由は、ブランドの成り立ちと、ものづくりへの姿勢を知ると見えてきます。

G-Planとは ― 英国モダン家具の原点

G-Planは、1953年にイギリスで誕生した家具ブランドです。

母体となったのは、1898年創業の老舗家具メーカー「E. Gomme Ltd.」。創業から半世紀以上にわたり培った技術を持つこの会社の三代目、ドナルド・ゴム(Donald Gomme)がG-Planを立ち上げました。

当時のイギリスでは、人々が古い様式から離れ、より軽やかでモダンな暮らしを求め始めていました。そんな時代の空気を捉え、G-Planはシンプルで機能的なデザインの家具を提案します。

当時としては画期的だった、すっきりとしたフォルム。

特筆すべきは「1点ずつ買い足せる」というコンセプト。現代では、好きな家具を一点ずつ選んで揃えられるのは当たり前のこと。しかし当時の家具販売はセット売りが常識でした。G-Planは同じシリーズを数年間継続して生産し、予算に合わせて少しずつ揃えられる仕組みを作りました。「G-Plan」の「Plan」には、「計画を立てて買い足していく」という意味が込められています。

この革新的なアプローチは支持を集め、G-Planはイギリスの家庭に広く浸透。英国モダン家具の代名詞となりました。

評価される理由 ― 時を経ても色褪せない品質

G-Planが長く評価され続ける理由は、デザインだけではありません。

素材へのこだわり

G-Planの家具は、主にチーク材で作られています。天板や扉には美しい木目のチーク突板、脚部には堅牢なアフロモシアやビーチの無垢材を使用。60年以上経った今でも現役で使える耐久性は、素材選びの確かさを物語っています。

時を経て、味わいを増す表情。

見えない部分への配慮

G-Planの品質は、見えない部分にも表れます。

引き出しには「ダブテール」と呼ばれる蟻組みの技法が使われ、板同士がしっかり噛み合うことで長年使っても緩みにくい構造になっています。

台形に噛み合った接合部。長年使っても緩みにくい構造。

取っ手は握りやすさを考慮した形状、脚部には高さ調整できるアジャスターが付いているものも。デザインと機能性を両立させた、考え抜かれた作りです。

デザインの系譜 ― 北欧の影響と英国らしさ

G-Planのデザインには、北欧家具の影響が見られます。

1950年代後半、北欧からの輸入家具がイギリス市場で人気を集めました。この流れを受け、G-Planは1962年にデンマークの建築家イブ・コフォード=ラーセン(Ib Kofod-Larsen)を起用。彼が手がけた「G-Plan Danish」シリーズは、現在もコレクターの間で高く評価されています。

北欧の影響を受けながらも、英国らしい堅牢さを持つ。

ただし、G-Planは単なる「北欧風」ではありません。北欧デザインの洗練されたフォルムを取り入れながらも、英国メーカーならではの堅牢な作りを守り続けました。この「北欧の美しさ」と「英国の確かさ」の両立こそが、G-Planの独自性です。

代表的なシリーズ

Fresco(フレスコ)

1966年に発表されたFrescoは、G-Plan史上最も成功したシリーズです。
Danishシリーズで北欧デザイナーを起用し成功を収めた後、今度は社内デザイナーのVictor Bramwell Wilkinsがその流れを受け継ぎました。
直線よりも曲線を重視したデザインが特徴で、「カーリングリップ」と呼ばれる丸みを帯びた取っ手がFrescoの顔となっています。ダイニングテーブルからサイドボード、チェスト、デスクまで、家中の家具が揃う豊富なラインナップを展開。1979年まで約13年間にわたって生産され続けました。

カーリングリップと呼ばれる特徴的な取っ手。

Brasilia(ブラジリア)

1964年に発表されたBrasiliaは、Frescoと同じくVictor Bramwell Wilkinsが手がけたシリーズです。
曲線的なアフロモシア材の取っ手と、アーチ状の貫(ぬき)で繋がれた脚部が特徴。シリーズ名は、モダニズム建築の象徴として知られるブラジルの首都・ブラジリアに由来しています。 1971年まで生産され、Frescoとはまた違った魅力で根強いファンを持つシリーズです。

Tola & Black(トーラ&ブラック)

1958年頃発表。トーラ材(アフリカンマホガニー)と黒塗装の脚、真鍮金具を組み合わせた、1950年代後半のグラマラスなシリーズ。

G-Plan Danish(ジープラン・ダニッシュ)

1962年発表。デンマークの建築家コフォード=ラーセンによるデザインで、彼のサインが入ったラベルが貼られています。
チーク材を使ったモデルが中心ですが、ローズウッドを使った上位モデルも少数生産されました。現在では流通量が少なく、希少価値の高いシリーズとして知られています。

老舗メーカーの確かな技術、時代を超えて使い続けられる品質、そして飽きのこないデザイン。G-Planが70年以上にわたり評価され続けているのは、これらが揃っているからこそです。

長く付き合える家具を探している方に、自信を持っておすすめできるブランドです。

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