コレクション: 岩谷堂箪笥

起源は1100年代、藤原清衡が産業奨励に力を注いだ時代に遡ると伝えられています。その後、1780年代に岩谷堂城主/岩城村将が車付の箪笥を作らせ、更に1820年代に徳兵衛という鍛冶職人が彫金金具を考案しました。鍵のかかる堅牢な金具が用いられるのは、金庫の役目を果たすためでした。最初は桐の模様が多かったようですが、次第に虎に竹、龍、花鳥等多くのデザインが開発されました。これが原型となり、その技術が今も引き継がれています。美しい木目の突板、時を経るにつれて透明感が増し独特の風合いがかもしだされる漆塗り、そして特徴的な飾り金具。鮮やかに浮き彫りされた金具の絵模様は堅牢さはもちろん、重厚で華やいだ装飾性が岩谷堂箪笥の最大の特徴としての拡張を高めています。堅牢さと重厚さの中にも華麗な繊細さを秘めた岩谷堂箪笥の佇まいは現代の住空間の中でも際立つ存在感があります。昭和57年には伝統的工芸品に指定され、これからも時を越えて受け継がれていくみちのくの伝統です。