「温めて直る」は嘘?テーブルが白くなったらどうする?

「温めて直る」は嘘?テーブルが白くなったらどうする?

テーブルの白いシミ、アイロンで直せる?ヴィンテージ家具の正しいケア方法

「テーブルの白いシミはアイロンで消える」

ネットで検索するとこの情報、めちゃくちゃ出てきますよね。写真付きの成功体験もたくさん。でも、ヴィンテージ家具を扱っている立場からはっきり言います。

ほとんどの場合、悪化します。

温めて直るどころか、温めることで白化がさらに進みます。直したくてやったことが、真逆の結果を招くんです。

まず手を止めて、3つ確認してください

アイロンを当てる前に、必ずこれをチェックしてください。

  1. 1. そのテーブル、何塗装?

    ラッカー塗装なら、すぐにやめてください。イギリスのヴィンテージ家具はほとんどがラッカー塗装です。ラッカーの白化は「塗膜が溶けて崩れた状態で固まっている」ので、温めても構造は元に戻りません。温め直せばまた溶けて、シミが広がるだけです。

  2. 2. 天板を触って木目を感じる?

    触ってツルツル、木目の凹凸がまったくわからないくらい分厚い塗膜で、かつウレタン塗装。この条件を両方満たしていないなら、やめてください。薄い塗膜やラッカーに熱を加えると、塗膜がさらにダメージを受けます。

  3. 3. 最近できたシミ? それとも前からあった?

    経年で白くなっているものは、塗膜自体が劣化しています。そこに熱を加えても回復しません。むしろ劣化を加速させます。

なぜ「温める」が逆効果なのか

「温めれば直る」が成立するのは、ものすごく限られた条件だけです。

  • ウレタンの厚い塗膜
  • 塗膜自体は無事で、水分が入って一時的に曇っているだけ
  • できたばかりの軽い白ボケ

この条件なら、温めて水分を追い出せば曇りが引くことがあります。

でもラッカー塗装や、すでに傷んだ塗膜では話が違います。白くなっている時点で塗膜の構造が崩れているので、熱を加えると塗膜がまた軟化して、崩れがさらに広がる。結果、シミが大きくなる、ツヤがおかしくなる、もっとひどい見た目になってしまいます。

「直そうとして温めたら余計にひどくなった」という相談、実際にあります。

「温めたら直る」が通用するケース・しないケース

塗膜の厚さと種類で結果がまったく違います

ウレタン塗装(厚膜)の場合
木目の凹凸が感じられない、ツルツルの天板
厚い塗膜
木材
① 白化した状態
水分が塗膜の中に入った
🔥
塗膜は無傷
木材
② 温める
水分だけが蒸発して抜ける
元通り
木材
③ 回復
塗膜は傷ついていない
✓ 直る可能性あり
ラッカー塗装(薄膜)の場合
木目の凹凸が手で感じられる仕上げ ― ヴィンテージ家具の多くがこれ
木材
薄い塗膜
① 白化した状態
水分が塗膜の中に入った
🔥
木材
塗膜が溶けて変形!
② 温める
薄い塗膜が熱で溶けてしまう
白化が拡大!
木材
③ 悪化
シミが広がり、もう戻らない
✗ 悪化する

白くなったらどうすればいい?

ラッカー塗装のヴィンテージ家具なら、研磨や再塗装といった「修復」の領域です。ネットの裏ワザで解決できるフェーズではありません。

気になるシミがあるなら、温める前にまず塗装の種類を確認する。わからなければ家具屋さんに相談する。それが一番確実です。

camoriでは家具のメンテナンスに関するご相談も承っております。お気軽にお問い合わせください。

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